こぷらです。 今回は最近読んだ書籍の紹介です。
今更ですが、チャディー・メン・タン氏の “Search Inside Yourself” を紹介します。 以前は瞑想なんて興味もなかったのですが、最近朝のルーティンに取り入れ始めたついでに読んでみました。
読んでみて、瞑想やマインドフルネスは想像していたよりも科学的でわかりやすいものだと感じました。 そしてそう思わせるだけうまく言語化できるスキルも素晴らしいかったです。 また、その日から始められるトレーニングがいくつも紹介されており、これから瞑想を始めたいという人にピッタリの内容だと思います。
まだ読んでいない人にもぜひ知ってほしいないようなので、気になる人はぜひ続きを読んでください。
ちなみに Search Inside Yourself はもともと Google 内部の教育プログラムとして始まったそうですが、現在はオンライン講座も開催されているようです。 本を読むのはちょっと、という方はこちらを受講してみてもいいかもですね。
目次
瞑想で注意力を鍛える
本の中では、瞑想を注意力のトレーニングと扱っている。 筋トレと同じように、繰り返し行うことで徐々に注意力が高まってくるというのだ。 そして、注意力を鍛えることで幸せに生きることができる、だからみんなも瞑想を始めよう。 かなり大雑把にまとめたが、この本の主張は以上のとおりです。
注意力を鍛えると、どのようなメリットがあるのだろうか。 幸せに生きることができるとあるが、具体的には以下のようなことを指しています。
- 自分の感情をコントロールできる
- 他人に思いやりを持てる
非常にシンプルですが、わかりやすく強力なメリットです。 しかし、なぜ注意力を鍛えるだけでこのようなメリットを得られるのか? それは、瞑想によって鍛えられるのは通常の注意と、メタ注意が鍛えられるからです。
メタ注意とは
注意力と聞けば、多くの人は「なにかに集中する力」、「気をつけて取り組む力」をイメージするでしょう。 ではメタ注意とはなんでしょう? メタ注意とは、本書の中で以下のように定義されています。
メタ注意というのは、注意に対する注意、つまり、注意自体に注意を払う能力だ。 出典:チャディー・メン・タン; 一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート. サーチ・インサイド・ユアセルフ ― 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法 (Kindle の位置No.784-785). 英治出版株式会社. Kindle 版.
ちょっと難しいですね。 具体例を上げると、例えば自分が今仕事中だとします。 最初は集中して取り組んでいますが、時間が立ち疲れてくると「今夜は何を食べようか」、「昨日見たテレビ面白かったな」などと関係のないことを考え始めます。 自身の集中が途切れていることに気がついくこと、これがメタ注意になります。
つまりメタ注意とは、自分の中に意識を向けて自分が今どういう状態なのか気づく力のことです。 そして瞑想を通してメタ注意を鍛えることで、自分の注意がそれたことにいち早く気づき、すぐに集中した状態に戻れるようになります。
The description of meta attention
注意力を鍛えて揺るがない心を保つ
メタ注意が、自分の中に意識を向けて自分が今どういう状態なのか気づく力だと言いました。 ここで、メタ注意を鍛えることで得られるメリットを再確認しましょう。
- 自分の感情をコントロールできる
- 他人に思いやりを持てる
メタ注意で自分の状態を客観視することで、感情や雑念に振り回されることがなくなります。 まさに感情をコントロールしている状態です。 メタ注意を鍛えるほど心に余裕がうまれ、穏やかな心を保ちながら物事に集中することができるでしょう。
心の余裕があることで、自分だけでなく他人にも注意が向けられるようになるはずです。 自分をメタ注意で客観視するように、他人にも注意をはらいその気持に気づいてあげる事ができれば、今よりもっと思いやりを持った人になれるでしょう。
瞑想を通じて注意力を鍛えれば、物事の機微に振り回されず揺るぐことのない心をもつことができる。 私はこの本を読んで、瞑想の真髄はこの点にあるのではないかと感じました。
かんたんに始められる瞑想トレーニグ方法
本書で紹介されていた瞑想の方法を一つだけ紹介します。 それは、2分間呼吸に意識を向けることです。 息を吸う・息を吐く、この二つの行動だけを意識して2分間過ごしてみてください。
実際にやってみると、たった2分でも驚くほど簡単に意識がそれてしまいます。 そんなときは、「自分は今呼吸に意識が向いていない」ということを自覚し、また呼吸に意識を向けます。 意識がそれたからといって自分を攻めてはいけません。 むしろ意識がそれたことにきづいたことで、メタ注意が鍛えられたと喜びましょう。
explain training
瞑想はトレーニングです。 こんな簡単な方法でも、筋肉のようにやればやるほどメタ注意が鍛えられます。 本書には更に踏み込んだトレーニング方法がたくさん紹介されてます。 興味を持った方はぜひ読んでみてください。
まとめ
著者は世界を平和にするための手助けがしたいと、繰り返し主張していました。 そのための手段が瞑想だとも述べています。 瞑想を繰り返し、注意力を鍛え、自身の感情をコントロールして、幸せな人生を送る。 みんなが幸せになれば世界はもっと平和になる、それが筆者が瞑想を広めたいと思ったきっかけだそうです。
自分の中に確固たる信念を持って、自分の信じることを突き進めるのはとても素敵なことです。 そんな筆者の考えを共有して共感できるのだから、読書ってやっぱりやめられませんね。
それでは。